NTT西日本で発生した大トラブルについて

以前、顧客企業の内線網をIP化した際に、VoIP装置の設定ミスが原因でA店舗にFAXを送信するとB店舗に届いてしまうという事件(試験の際に判明したから実害は出ていませんが)に遭遇したことがあります。

もし運用が始まってからFAXの誤送信が発生したら、たとえ同じ企業内であったとして大問題になっていたと思います。ましてや、関係ない外部のFAXに誤送信されたらとんでもない事件になってしまったことでしょう…

しかし、最近、NTT西日本の普通の電話回線でかけた番号と異なる相手に電話が架かったり、FAXが送信されてしまったりというとんでもない事件が発生してしまったたそうです。

 

2020年6月29日、石川県(金沢市、かほく市、河北郡の一部エリア)兵庫県(丹波市の一部エリア)において、電話がつながらない、または架けた電話番号とは異なる相手に着信してしまうという状況が発生しました。

NTTの公式サイトでは発生した事実だけが発表されています。

https://www.ntt-west.co.jp/newscms/news/9475/202006301200.pdf

 

新聞報道ではもう少し詳しく発生した状況が書かれています。

役所から一般家庭に送ったFAXが別の家庭に届いてしまったという出来事も発生しているようです。内容次第では訴訟沙汰になるような気がしますが、そんな噂は聞かないので内内でお詫びして済むような内容だったでしょうか。企業の機密情報などではなくて良かったですね。(FAXでそんな大事な情報を送って良いのかという問題は別にしてですが。)

https://www.chunichi.co.jp/article/81402

 

原因についてですが、電電公社の風習でこういうときには細かい原因は発表しないというのが受け継がれているので、“新規設備への移行の際のデータ設定の誤り”とさらっと掛かれています。どうやらIP網と固定電話網の接続部分の装置をリプレースした際の設定ミスのようです。日経XTECHで記事になっています。 

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01157/072800016/

発注書が別の会社に届いてしまったなんてことも起きていたみたいですね。誤受信した側が送信者に親切に教えてあげたみたいなので良かったですが、誰も気が付かなければ、発注したものがいつまでたっても届かないという最悪の事態が発生していたかも知れませんね。これで損害が発生してもおそらくNTTが補償はしてくれないでしょう。

 

前に記事にしましたが、NTTは全国的に電話網をIP化しようとしています。そうなると機器の入れ替え時に同じようなミスが何度かは発生するでしょうね。リンク昔、社会人になりたての頃、FAXは送ったら届いたかどうか相手に確認しろ、と有益なのか有益でないのかよくわからないことを教えられましたが、これでは本当に確認が必要になってしまいます。

 

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