無料のRPA?SikuliXとは1

SikuliXというソフトウェアをご存じでしょうか。SikuliXとは、マウスやキーボードの動きをエミュレートできる(人間が操作しなくても勝手に決められた動作をさせられる)オープンソースのソフトウェアです。オープンソースのソフトウェアなので、無料でダウンロードして使うことができます。このソフトウェアは、上手く使えば現在流行のRPAを無料で構築することができます。

RPAとはRobotic Process Automation (ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、ユーザの操作そのものをエミュレートして、自動的にキー入力、マウス操作などを行うソフトウェアのことです。あらかじめ登録したマウスの操作やキーボードからの入力をロボットが自動的に実行してくれる仕組みです。Excelでマクロを実行すると記憶させておいた処理を実行して表を作ってくれますが、その実行範囲をWindowsなどのOS全体に広げたイメージです。パソコン作業(主に定型作業)を、パソコンの中にあるロボットソフトウェア型が代行してくれます。

 

RPAを導入するメリットは何でしょうか。パソコンを使った単純作業に要する時間を削減できるということです。企業にとっては、直接的には残業代の削減という効果がありますし、従業員を単純作業から解放して、もっと創造的な仕事をしてもらうこともできます。(実際には経理担当から営業要員や開発要員に回されケースが多いようです。)

単純なシナリオ(RPAに実施させたい作業の流れ)を作るだけなら、すぐに作り始めることができるという容易さが特徴なので、一般的な情報システム開発と比べると導入コストが低く抑えられるのもメリットの一つです。

また、パッケージソフトや旧来自社で使っている情報システムを他のシステムと連携したいような場合も、条件次第ではRPAの導入によって大掛かりなシステム開発をせずに実現することができることがあります。

 

Excelのマクロでも同じような効果が得られると思われるかもしれません。確かに、RPAの導入を計画しているという案件の多くは、よく話を聞いてみると、BATファイルとExcelのマクロで解決してしまうことが多いようです。RPAが強みを持つのは、例えばPDFファイルになっている書類を読み取ってExcelに転記するなどの作業を簡単に自動化できるという点です。

 

世界中で開発が進められているRPAですが、日本の大企業は特に導入に熱心です。なぜならば、企業が恒常的な働き手不足に陥っており、このままいくと会社の存続が危うくなると考えられるからです。恒常的な働き手不足になっているのは、日本の労働人口の減少が著しく今後も回復する見込みがないことに起因しています。

 

こうしたRPAがもてはやされている状況の中、SikuliXはどのように活用できるのか次回書くことにします。

 

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