コネクテッド・インダストリーズ税制について

 コネクテッド・インダストリーズ税制という名称を聞いたことはありますか?

 経済産業省により平成30年6月に創設された税制措置で、製造業者がデータ連携・利活用によって生産性を向上させるためのソフトウェアやハードウェアの導入を支援するための制度です。

 

 認定された事業計画(認定革新的データ産業活用計画)に基づいて行う設備投資について、税額控除3%または特別償却30%という税制優遇が受けられます。

 公式に発表されている認定要件は以下のような内容です。

①データ連携・利活用の内容

・社外データやこれまで取得したことのないデータを社内データと連携すること。

・企業の競争力上重要なデータをグループ企業間や事業所間で連携すること。

②セキュリティ面

必要なセキュリティ対策が講じられていることをセキュリティの専門家(主に登録情報セキュリティスペシャリスト=情報処理安全確保支援士)が担保していること。

③生産性向上目標

投資年度から一定期間において、以下のいずれも達成見込みがあること。

・労働生産性:年平均伸率2%以上

・投資利益率:年平均15%以上

 

 どのような取組みが認定されるかの例として、以下のような情報が公表されています。

【類型1-1】”企業内”での取組(IoT等の活用)

・これまで取得したことのないデータ(センサーデータ等)と、社内の既存データを連携。

例)新たに設置するセンサからのIoTデータを活用して、生産稼働の効率化や予防保全を実現し、生産性を向上させる取組。

 

【類型1-2】”企業内”での取組(事業所・工場間等)

・外部のネットワークを活用して、物理的に離れた事業所や工場間のデータを連携。

例)工場間でのデータ連携により、全社ベースでの生産稼働の最適化による生産性向上の取組。

事業所間で在庫データ等をリアルタイムで共有し、在庫圧縮など生産性を向上させる取組。

 

【類型2】社外データを活用した取組

・他社や一般・公共データ等の社外データと、社内の既存データを連携。

例)サプライチェーン上の他社データ(販売等)と社内のデータ(調達、生産等)を連携させ、地域性に合わせた最適生産等を実現することにより、生産性を向上させる取組。

社外の公共データ等を活用することで需要分析を高度化し、受給マッチングを向上させることで生産性を向上させる取組。

 

【類型3】”他の法人”と連携した取組

・他社との間(企業グループ内の他の法人も含む)でネットワークを構築しデータ連携。

例)同業他社とデータ連携することで生産効率を最適化し、生産性を向上させる取組。

グループ企業内の各企業間でのデータ連携により、生産・販売プロセスの全体最適化による生産性向上の取組。

 

 企業の規模に関わらず、青色申告をしている企業では利用できるそうです。大企業の製造ラインではIoTを活用してデータを取得するのが当たり前になってくると思うので、そういった大企業では、ほとんどの投資が関連してくるのではないでしょうか。そうするとこの制度を使う使わないでは税金の額がかなり変わってくると思います。

 

 制度の趣旨としては、ドイツや中国の製造業者がIoTを活用してどんどん生産性を上げているのに比べて、日本は遅れをとっているという事実があり、その対策として国がIoTの活用を支援するということですね。

 

 大企業の場合、情報処理安全確保支援士が安全管理の適正性及び運用について担保しなければならないという点については、情報処理安全確保支援士の独占業務を作りたかっただけではないのか?という疑念はありますが。当社の情報処理安全確保支援士は、安全管理の適正性の診断を行うこともできますし、申請書類の作成をお手伝いすることもできます。

 

 小規模な製造業者の場合、良く分からん制度に申請する手間をかける余裕がない、要件に当てはまっているかどうか判断できない、という理由で申請されない企業が多いかも知れません。利益が出ていない企業では、税額控除のメリットが実感できませんしね。

 

 制度の詳細はこちらをご覧ください。

http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/data-katsuyo/iot-zeisei/abstract20180702.pdf

 

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